日経平均株価と東証株価指数

 2023年も残すところ1カ月となりましたが、皆様にとって2023年はどのような年でしたでしょうか。
 日本の株式市場におきましては、2023年11月24日の東京株式市場の日経平均株価の終値は33,625円となり、33年ぶりの高値となりました。また東証プライム上場の16%にあたる約260社の株価は2023年に上場来高値を更新するなど(2023年11月末時点)、株式市場において2023年は非常に好調な年であったと言えます。
  では、よくニュース等でも報道される株式市場の指標の1つである日経平均株価とは、どういったものでしょうか。

 日経平均株価の特徴は以下のようになっています。
 ・日本経済新聞社が算出・公表している。
 ・代表的な企業である225社の銘柄の株価により算出される。
 ・東証プライム市場に上場する銘柄のうち、取引が活発で流動性が高い銘柄が選定される。
 ・1991年9月までは倒産、上場廃止以外の銘柄入替えは無く、以降は入替えが行われる。2001年以降は毎年9月から10月に1~3銘柄の入れ替えが行われている。

【算定式】
 日経平均株価=Σ(株価×株価換算係数)÷除数

このような特徴から日経平均株価は採用銘柄の単純平均に近い結果となることと、入替に際し除数を調整することで株価の連続性は保持するものの、銘柄自体の連続性はありません。
 また、採用銘柄の株価に大きく差があることから値嵩株の変動に大きく影響を受けることも指摘されています。

 下記は株価が高いことから構成比率が高くなり日経平均株価の変動に大きく影響を与える銘柄になります。ファーストリテイリングなど構成比率が高い特定の銘柄の値動きによって日経平均株価が大きく変動することがわかります。

一方で、別の株式市場指標としてTOPIX(Tokyo Srock Price Index:東証株価指数)も存在します。

 このTOPIXの特徴は以下のとおりです。
 ・1968年1月4日の東京証券取引所の時価総額8兆6,020億5,695万1,154円を基準指数100とする。
 ・対象は東証券プライム及びスタンダード上場銘柄のうち旧東証一部に上場していた銘柄。
 ・対象銘柄の時価総額をベースに新規上場、上場廃止、増減資などを修正して指数化したもの。
 ・2023年10月末時点のTOPIX 2,253.72と1968年1月4日時点より現在の東証の市場規模は22倍に拡大していることがわかる。

 このような特徴からTOPIXは対象全銘柄の時価総額(株価×株式数)をベースとするため、日経平均株価のような株価の高い(値嵩株)の変動による影響を受けにくく市場全体の状況を把握できるものと言えます。

 下記のとおり時価総額をベースとするため、会社規模の大きい会社が構成ウェイトの上位を占めている一方で日経平均株価の構成比率よりも偏りが小さくなっています。

2024年から新NISA制度が始まり、免税額、期間も広がります。新たに投資を始める方もおられるかと思いますので、インデックス、指数投資のご参考情報とし て。 原田 礼造

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