株式市場の再編

 現在、日本の上場株式の取引市場は東証(一部、二部)、マザーズ、JASDAQ、名証(名古屋証券取引所)、福証(福岡証券取引所)、札証(札幌証券取引所)の7つの市場がありますが、このうち東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQの4市場が2022年4月から「プライム」、「スタンダード」、「グロース」の3市場に再編されます。

 プライム市場は流通株式の時価総額が100億円以上、流動株式比率が35%以上、コーポレートガバナンス・コードも高い水準が求めれます。また、経営成績についても直近2年間の利益合計が25億円以上、売上高100億円以上かつ時価総額1,000億円以上が求められています。

 プライム市場は厳しい基準が設定されていますが、現時点で東証一部に上場している企業は、基準を満たしていなくても、将来基準を満たすことを前提として、経過措置によりプライム市場に移行することが可能とされています。そのため、多くの東証一部企業はプライム市場に移行する予定となっています。

  一方で大正製薬ホールディングス株式会社や株式会社近鉄百貨店など344社は現在の東証一部からあえてスタンダード市場への移行を選択しています。

 イギリスロンドン株式市場では、メイン市場と呼ばれる約1,300社が上場している大企業向けの市場と、AIM市場と呼ばれる約1,100社が上場する新興企業向けの市場に分かれています。(ほかにも少数のプロマーケット市場もあります)メイン市場に上場している企業のうち約450社が海外企業となっており、非常にグローバルな市場になっているのが特徴的です。

 アメリカニューヨーク株式市場では、約2,500社が上場するNYSE(ニューヨーク証券取引所)と約3,600社が上場する新興企業向けのNASDAQの2市場があります。ロンドン株式市場、ニューヨーク株式市場ともに大企業向けと新興企業向けの2種類という非常にシンプルで分かりやすい構成になっており、日本の株式市場も両市場を参考にした市場再編だと考えられています。

 当面、プライム市場は現在の東証一部と参加企業数は大きく変わらないことが想定されていますが、将来的にはグローバル企業を中心とした市場になり、海外投資家に向けた市場に変貌する可能性があります。プライム、スタンダード、グロースの各市場の特徴が明確になり、投資家が投資しやすい市場が形成され、日本の株式市場全体が活性化することを願っています。

 ストロングアライアンス合同会社も専門家集団として、企業会計を通じて株式市場に貢献できる存在になれればと思っております。                                         原田                                      

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