公認会計士監査のあり方 その②

私たち、ストロングアライアンスは株式上場支援や事業再生等の財務会計コンサルティングを主な事業としていますが、メンバーは全員監査法人出身者であり公認会計士監査に深く関わってきました。ですので、公認会計士監査について思うことを時々発信していきたいと考えています。

『財務諸表監査の目的は、適正性意見を表明することによって、財務諸表に社会的信頼性を付与することにある。』

監査論を勉強したことがある人なら誰でも知っている話しで、もちろん公認会計士も試験科目に監査論がある以上、当然に知っている話しです。なので、世間を騒がせる粉飾決算、不正会計が明らかになり、社会が不正を見抜けなかった会計士に責任を求めるような風潮になると、会計士が伝家の宝刀のように言う言葉があります。「不正を見つけることが会計士の仕事じゃないだろ。」

もちろん、私も公認会計士である以上、このような会計士の主張はよくわかるし、特に最近の監査の現場はホントに悲惨で、やることが毎年のように増えて行くのに人は増えず、会計士一人一人の負担がどんどん大きくなっているような気がしますので、今の仕事に加えて不正摘発まで求めるのは酷だと思います。

とはいえ、公認会計士として私が思うのは、「そろそろその言い訳辞めませんか?」って事です。監査の目的は財務諸表の適否を判断することであり、また監査の現場が今大変なのはわかっているのですが、不正会計、粉飾を見逃し、それが後から発覚すると会社は大きなダメージを受けます。人に例えると死亡事故、重態レベル。それを見逃しておきながら「不正を見つけることが会計士の仕事じゃない。」って言い張る公認会計士の存在意義って何だろう?と思うわけです。ちょっとカッコ悪い気がします。

私が公認会計士を志した理由の一つに「公認会計士は会社にとってのお医者さんである。」という言葉があります。まだ若きころの私はなんてすばらしい職業なんだろう、僕も会計士になって瀕死の会社を救いたいと思いました。不正という病気が起こらないように、起こっても早期発見するのが使命なんじゃないだろうか。

そんな思いで現在も監査の最前線にいる人たちを見ています。毎日ホントに忙しそうで、大変なんだろうなと思います。それでも是非不正を摘発して欲しい。それが難しいなら監査証拠が得られないため、監査契約を途中で打ち切るぐらいの監査法人が出てきて欲しい。そんな思いを抱きながら、監査の最前線の現場で頑張っている人たちに全力でエールを送りたいと思っています。

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