優勝の経済効果

 このブログを執筆している10月下旬では、プロ野球のセ・パ両リーグの優勝チームが決定し、これから日本一をかけて日本シリーズが開催されようとしています。そこで、よく新聞やテレビ、インターネットの報道でよく目にする「〇〇が優勝したら経済効果〇〇億円」という記事の「経済効果」についてお話したいと思います。

 下記はインターネット上の記事で過去に取り上げられていたプロ野球チームの優勝時の経済効果になります。

注)算定者、リーグ優勝と日本一が統一されていません。また埼玉西武ライオンズの経済効果について明確に記載のある記事を調べられませんでしたので、あくまでご参考情報となります。

 球団や時期によって金額に差が生じていますが、傾向としては、人気球団でファン数が多いこと、優勝がメモリアルなこと(長らく優勝していないことや連覇)、フランチャイズの地域人口が多いこと、話題の選手や記念になる出来事があることがあれば金額が大きくなっているのではないかと思います。一言でいうと「より多くの人が盛り上がったか」ということでしょうか。では経済効果はどのように算出しているのでしょうか。

 経済効果は「直接効果」と「生産誘発効果」の合計をいい、生産誘発効果は「一次波及効果」と「二次波及効果」にわけられています。

 「直接効果」はその事象に対して直接売上が増加するなどの経済的便益が増加したことをいいます。具体的にはプロ野球チームが優勝したことにより、観客動員数が増加したことや、関連グッズの販売が増加、百貨店での優勝セールにより売上が増加するような効果を指します。

 「一次波及効果」は「直接効果」により増加した経済的便益が他の企業や他の産業に与える効果をいいます。具体的には、関連グッズを生産している企業や優勝セールで販売された商品を生産している企業に及ぼす効果を指します。「二次波及効果」は「直接効果」や「一次波及効果」によって、雇用者等の所得が増加し、消費を増加させる効果をいいます。

 国民の多くが盛り上がる施策が行われば、日本全体への高い経済効果を及ぼすと考えられます。現在全国旅行支援の施策など実施されますが、日本全体が盛り上がるといいですね。    原田 礼造

参考)総務省では簡易な方法で経済波及効果を算定できるシートが公表されています。↓

総務省|産業連関表|経済波及効果を計算してみましょう(平成27年(2015年)産業連関表(統合大分類(37部門))) (soumu.go.jp)

 

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