会計基準のコンバージェンス

2022年3月期の決算から収益認識基準が適用され、1990年代の後半ぐらいから始まった会計ビッグバン(死語?)も概ね片付き、あと残っている大物といえばリース基準ぐらいでしょうか?IFRS16号によるリース基準では従来のファイナンス・リースかオペレーティング・リースかと言った区分は廃止され、原則すべてのリース資産がオンバラン処理されるのではないかと思います。このリース基準の改正はかなり影響が大きいことが予想されるため、かなりの準備期間が設けられるとは思いますが、現場ではまた大混乱するんだろうなと思ってしまいます。
私のような2000年代初頭に公認会計士試験に合格した者にとっては、会計ビッグバン以前の会計処理を受験勉強で必死に叩き込んでいるため、クライアント様から会計処理について質問があった時に、「あれ、今どうだったっけ?」と少し迷うことがあります。例えば、以下の正誤についてはいかがでしょうか?
・財務諸表の表示区分を超えた「表示方法の変更」は「会計方針の変更」にあたる。
・固定資産の耐用年数を変更した場合、臨時償却を行う。
昔は確か財務諸表の表示区分を越えた「表示方法の変更」は「会計方針の変更」として扱うという話しだったような気がするのですが、今は財務諸表の表示区分を超えた「表示方法の変更」も「表示方法の変更」に含まれます。また、臨時償却は既に廃止されていますよね。「会計上の見積りの変更」は将来に向かって修正する整理だと思います。会計士の方にとっては簡単すぎでしょうか?(笑)
迷った時は、当然会計基準を調べなおして正解を確認するのですが、そんな時、やはり士業たるもの自分の刀は常に研いでおく必要があるなぁと実感するのでした。最近の会計基準はIFRSを直訳しただけのようなものもあり、日本語の理解から大変ですが、これからもなんとかキャッチ・アップしていけるよう精進して参ります。
最後に本年も残すところあとわずかとなりました。今年もコロナ三昧ではありましたが、来年はそろそろ普通に戻りたいですね。皆様お体に気をつけて良いお年をお迎え下さい。

引地 健児

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