年々利用者が増加し、多くの方に定着してきたふるさと納税制度ですが、2025年10月1日より制度内容の一部が改正されます。また、2026年10月1日においても改正が決定しておりますので、その概要についてお知らせいたします。
ふるさと納税は年末に駆け込みで申し込みされる方も多いかと思いますが、改正されるタイミングは毎年10月1日になりますので、10月を跨いで寄附される方は毎年9月末までとそれ以降の制度内容の変更をご確認ください。
(2025年10月1日改正)
・寄附者に対しポイント等を付与するポータルサイト等を通じた寄附募集を禁止
→ポータルサイト経由で寄附を行った際のサイトのポイント等の付与が禁止になります。
(2026年10月1日改正)
・区域外製造の製品等を返礼品として認められる場合の広報目的基準が明確化
→直近1年間において自治体が広報の目的で自ら調達・配布・販売を行った実績があること、かつ返礼品提供数が実績数量を超えないこと
→指定対象期間において対象品目を広報の目的で自ら調達・配布・販売する計画を定めていること
・付加価値基準における算出方法の明確化
→付加価値割合の算出方法について、価格に基づく算出を原則とする。
→製造加工品等の返礼品について、製造等を行うものが価値の過半を区域内で生じたことを証明するとともに、返礼品提供開始日までに地方団体がその証明を公表
・返礼品等の調達費用の妥当性確保
→付加価値基準に基づく返礼品は価値の過半が区域内で生じた証明に加え、一般販売価格もあわせて証明書に記載すること(合理的な理由なく、一般販売価格より高額で調達できないようにすること)
・募集費用の透明性の向上
→ポータルサイトへの手数料支払が適切かどうか、透明化を促進するため自治体が1支払あたり100万円以上の募集費用について支払先、支払額、支払目的を公表・返礼品確認事務の効率化
上記から、ポータルサイトでの付与ポイントなどが自治体の支払手数料に上乗せされ事務費用が増加する現状を改めるとともに、返戻品について自治体(地域内)での製造、加工物であることが厳格化されており、本来のふるさと納税の趣旨に即した制度に改正されていく方向性であると考えられます。寄附する方としては、ポータルサイト経由でのポイント等がなくなることや、自治体ごとの返礼品の取扱品が限定されること、寄附に対するの返礼品還元率などが明確になったと言えます。
【ふるさと納税の返礼品に対する課税】
(ふるさと納税の返礼品の受領は一時所得に該当します)
ふるさと納税で一般に最も気にされるのは寄附金の限度額ですが、他にも気にする点としてふるさと納税で受け取った返礼品は一時所得に該当するという点があります。
つまり返礼品も一定額を超えると課税対象になるということになります。
一時所得の計算方法をご紹介いたします。
- ①一時所得の対象となる収入
- ②一時所得を得るためにかかった経費
- ③特別控除(年間50万円)
一時所得は①-②-③で計算されます。
仮に一時所得がふるさと納税の返礼品だけであった場合、通常②の経費は発生しないと考えられますので、①返礼品の受取時価から③の特別控除50万円引いた金額が課税されることになります。
返礼品率は寄附金の30%が基本となりますので、一般に年間160万円程度を超えてふるさと納税した場合は課税されることになります。
ふるさと納税で160万円程度を寄附する方は給与所得の場合で4,000万円を超える高額所得者になります。
一方以下に該当する場合も一時所得に該当するため、ふるさと納税が160万円程度でなくても他に該当する一時所得が生じた場合には課税されます。
(1)懸賞や福引きの賞金品
(2)競馬や競輪の払戻金
(3)生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金等
(4)法人から贈与された金品
(5)遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
(6)資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの
が該当しますのでこのうち生命保険の一時金を受け取ることはどなたでも生じるケースです。
例えば生命保険の満期返戻金(一時金)を100万円受け、ふるさと納税を20万円寄附した場合
100万円(返戻一時金)+20万円*30%(返礼品時価相当額)-50万円(控除)=56万円が課税所得となります。控除額を超える他の一時所得がある場合には、ふるさと納税の返礼品相当額について課税されることになり高額の寄附を行わなかった場合でも課税対象となる場合があります。
ふるさと納税返礼品相当額について税務調査で指摘されているケースもありますので、返礼品部分についても考慮したうえで寄附をお願いします。
原田 礼造